(株)CAN EAT主催「日本酒×イタリアンのマリアージュ」
おいしいもの探し隊!ライターの実践料理研究家 岩木みさきです。
“すべての人の食事をおいしく・楽しく・健康的にする” をミッションとし
食べられないものがある人の外食を救うサービス「CAN EAT」の開発・運営を行っている(株)CAN EAT 主催
「日本酒 × イタリアンのマリアージュ」@インターコンチネンタル 東京ベイ イタリアンダイニング ジリオンに伺って来ました。
▲(株)CAN EAT 代表 田ヶ原絵里氏
自身のお母様がアレルギーを発症されたことをきっかけに、この事業を始められたそう。
食物アレルギー、ベジタリアン、妊娠、健康問題、宗教上の理由など
さまざまな理由による「食べられないもの」がある人は、世界に約31億人もいると言われています。
“食事に気を遣い、 外食の機会を諦めてしまう人達にも楽しんで食事をしてもらいたい”
“ひとりひとりの美味しいを叶えたい”
それがCAN EAT が実現したい世界です。
すべての人に自分に適した「パーソナライズドフード」が提供されるよう、現在飲食店との連携を図っています。
▲イタリアンダイニング ジリオン シェフ 阿部洋平氏
今回企画協力してくださったのは、インターコンチネンタル東京ベイ イタリアンダイニング リジオンのシェフで
星付きレストランやイタリア人シェフのもと豊かな経験を積まれた阿部シェフ。
瞬間に出る香りを大切に、素材を活かしたシンプルなお料理を得意とされています。
今回はベースのメニュー考案後、参加者の食事制限や嗜好を反映。
3~4日前の連絡で対応が可能だとお話されていました。
▲小澤酒造代表取締役社長 小澤幹夫氏
小澤酒造は元禄15年(1702年)創業、代表銘柄「澤乃井」で知られる東京都青梅市沢井にある老舗蔵元です。
蔵の代表酒銘「澤乃井」は、豊かな水が沢となって流れる様子からつけられた「沢井」という地名に由来。
豊富なラインナップを製造されている小澤酒造は、銘柄により仕込み水を軟水・硬水使い分けられている珍しい蔵でもあります。
CAN EATを使用して「日本酒×イタリアンのマリアージュ」
CAN EATは個人で飲食店を使用する時にはもちろん、大人数の会食時にも活用出来ます。
今回、参加者は事前にCAN EAT に嗜好を登録し参加。
【今回の食事嗜好】
・制限:卵(アレルギー)
・苦手なもの:パクチー、シナモン、そら豆、はっかく、セロリ、極端に香りの強いもの
・好きなもの:ヒレ肉、ピーマン、ナス、トウモロコシ、ブロッコリー、大葉、刺身、コーヒー
▲今回ご用意くださった日本酒
・純米生原酒「しぼりたて」/ 17~18度/ 新米で造った新酒
・純米大吟醸「澤乃井」/15~16度/山田錦50%精米/特選酒
・純米吟醸 「生酛純米吟醸東京蔵人」/15~16度/55%精米/日本酒造りの原点生酛造り
・本醸造生原酒「しぼりたて一番汲み」/19~20度/新酒しぼりたての無濾過生原酒
・梅酒「ぷらり」/11~12度/甘さを抑え日本酒で造った梅酒
今回は今だから楽しめる新酒を2種ご用意下さいました♪
個人的に生酒タイプが好きなので、よりワクワク。
※今回は口頭でご説明いただいたので、メニュー名は独自に記載させていただいています
◆料理:前菜の盛り合わせ
(左上)タコとセロリ ジェノヴェーゼソースしそ風味
(右上)イセマダイのカルパッチョ
(中央)バーニャブレッタ (トマトムース・チコリ・ゆずかぼちゃ・ブロッコリー・オリーブのパウダー)
(左下)マダイとじゃがいものブランダード
(右下)自家製リコッタまりも風(白味噌・みりん粕・竹炭のパン粉)
*マリアージュ:本醸造生貯蔵酒 「しぼりたて」/とても香り高く程よい甘みがある
マダイとじゃがいものブランダードとしぼりたてのマリアージュが最高でした!!
日本酒の味を構成する中で塩味がないのですが、料理の塩味と合わさることで、五味のバランスが完成します。
この組み合わせは、まさに!という感じでした。
そして今回の全てのお料理の中で1番印象に残っているのが、まりものような見た目のリコッタ。
ふすま?と思わせる甘みの正体は、なんと白味噌とそのまま混ぜたみりん粕でした。
イタリアンとみりん粕、何度か経験していますがやっぱり合うと確信。
そして白味噌使用ということで、最初の一皿目からテンションがMAXに!
◆料理:マコモ茸のフリット 生ハムモッツアレラ トリュフのせ
*マリアージュ:純米大吟醸「澤乃井」/メロンのような甘みとほのかな苦み
マコモ茸のほんのりとした渋み苦みとのマリアージュ、参加者からも「合う!」との声多数。
お料理が運ばれてきたとき、削り立てのトリュフが空間に広がり幸せのひととき。
ソースにはねぎの一種であるシブレットのペーストとオリーブオイルを混ぜたもの。
◆トマト風味のパン
◆料理:「カナダ産松茸 イカスミとカラスミのタリオリーニ」
*マリアージュ:純米吟醸 「生酛純米吟醸東京蔵人」/強めの香りとしっかりすっきり感
イカスミとのマリアージュ。ワインソムリエからも好評という生酛仕込みの日本酒。
鼻から抜ける後味の余韻・・・楽しめました。
◆料理:抹茶のラビオリ リコッタとみそ パルミジャーノのソース
*マリアージュ:ここまでの日本酒の中で、本醸造生貯蔵酒 「しぼりたて」が特に合う印象
抹茶もみそも良い意味で存在感はなく、チーズを引き立てるように優しく香っていました。
鮮やかなグリーンが美しかったです。
◆料理:ローストポーク山椒風味 カポナータを添えて
◆料理:猪肉 エルブーケのソースと八幡平マッシュルームのパウダー
*マリアージュ:本醸造生原酒「しぼりたて一番汲み」/しっかり冷やすと旨味増、キレのある味
高いアルコール度数でキレ感のある味わいはウォッシュ効果でお肉との愛称抜群でした。
キンッキンに冷えており、本来の美味しさが充分に引き出された状態だったと思います。
一皿目のローストポークは通常ならハーブを使用するそうですが、今回は猪肉へと続くので山椒に。
二皿目のエルブーケのソースは香草風味の白ワインでベルモットのような香り。
複雑な味わいと風味ながらソース自体は重すぎず、とても食べやすかったです。
◆デザート:苺のパンナコッタ モンブラン ベリーのソルベ
*マリアージュ:梅酒「ぷらり」/ストレートで丁度良い
最後は軽くなめらかな食感のデザートプレート。
モンブランのアクセントにコーヒーの粉末がちらしてありました。
割らずにストレートのままでちょうど良いエキスしっかり甘さ控えめの日本酒仕込みの梅酒は、
軽めのデザートワインのようで、スーッと流れる一般的なものとは異なる梅酒でした。
参加者の皆様と共感したり、新しい視点に気付けたり、感想を聞いてるだけでもとても面白かったです。
実は阿部シェフと小澤社長は打ち合わせは軽くしか行なっていなかったそう。
参加者の嗜好を取り入れ、その上でのこのマリアージュは本当に素晴らしく、参加者全員が感動していました。
これからオリンピックに向けて海外からのお客様も増えてきます。
CAN EAT を導入することでお客様とのやりとりに時間をかけず、提供ミスを防ぎ、
お店側のオペレーションも効率化出来ればよりスムーズに“ひとりひとりの美味しい”を叶えられるのではないでしょうか。
今後、CAN EATでは飲食店との連携を進めるために、このような企画を計画中とのこと。
協力してくれる飲食店、食物アレルギー、ベジタリアン、宗教上の理由など
食べられないものがあり外食をあきらめていた方、今後のCAN EAT の情報発信にぜひ注目です。
会社・店舗情報
◆CAN EAT 公式HP
https://caneat.jp/
◆インターコンチネンタル東京ベイ イタリアンダイニング リジオン
https://www.anaihghotels.co.jp/search/knt/ic-tyohb/restaurant.html